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音程その2(漢字編)

更新日:2021年9月10日

前回の「音程その1」から4年も経ってしまいましたが、続きを書いていきたいと思います。この2本の記事で音程に関する基礎知識はばっちりです。


さて、前回の記事で音程の数字部分は分かりました。この記事では漢字部分について説明していきます。


※最初にメジャースケール(長音階)を作る必要があります。もしメジャースケールの作り方が分からない方はこちらをご覧ください。


例えばレの音から上がっていくメジャースケールを作ってみましょう。


ファ#

ド#


この1番最初のレの音と、音階のそれぞれの音との間に出来る音程を書いてみます。まずは数字部分だけです。


1度 レ と レ(全く同じ音)

2度 レ と ミ

3度 レ と ファ#

4度 レ と ソ

5度 レ と ラ

6度 レ と シ

7度 レ と ド#

8度 レ と (上の)レ


ここでメジャースケールの 1・4・5・8 の場所の音程には「完全」という言葉がつきます。 メジャースケールの 2・3・6・7 の場所には「長」という言葉がつきます。今は理由を考えず覚えてください。説明すると、非常に長い話になります。


完全1度 レ と レ(全く同じ音)

 長2度 レ と ミ

 長3度 レ と ファ#

完全4度 レ と ソ

完全5度 レ と ラ

 長6度 レ と シ

 長7度 レ と ド#

完全8度 レ と (上の)レ


これをぜひ覚えてください。

完全:1 4 5 8

 長:2 3 6 7


例えば ミ♭の完全5度上の音を探すにはどうすれば良いでしょうか?

まずミ♭からはじまるメジャースケールを作ります。


ミ♭

ファ

ラ♭

シ♭

ミ♭


完全5度上の音とはメジャースケールの5番目の音です。 なので、ミ♭の完全5度上はシ♭になります。





他にも、例えばラの長3度上の音を探すにはどうすれば良いでしょうか?

ラからはじまるメジャースケールを作ります。


ド#

ファ#

ソ#


長3度上の音とはメジャースケールの3番目の音です。 なので、ラの長3度上はド#になります。



さて、次に覚える知識はこちらです。


「完全」より半音広い音程は「増」


さっきミ♭の完全5度上の音はシ♭だと分かりました。これよりも音程を半音広くするには、シ♭を半音上げてシに変えれば良いです。そうすると半音の距離だけミ♭から遠くなります。これで「増」になります。


完全5度:ミ♭とシ♭

 増5度:ミ♭とシ


次に覚える知識はこちらです。


「完全」より半音狭い音程は「減」


さっきミ♭の完全5度上の音はシ♭だと分かりました。これより音程を半音狭くするには、ミ♭を半音上げてミに変えれば良いです。そうすると半音の距離だけシ♭に近くなります。これで「減」になります。


完全5度:ミ♭とシ♭

 減5度:ミとシ♭


次に覚える知識はこちらです。


「長」より半音狭い音程は「短」


レ と ファ# の音程は長3度でした。これより音程を半音狭くするには、ファ#を半音下げてファに変えれば良いです。そうすると半音の距離だけレに近くなります。これで「短」になります。


長3度:レ と ファ#

短3度:レ と ファ


また、上では説明しませんでしたが「短」より半音短い音程も「減」といいます。


まとめると、次のようになります。


長音階の最初の音とそれぞれの音との間に出来る音程は以下の通り。

完全:1 4 5 8

 長:2 3 6 7



数字が1 4 5 8 の場合

増→完全→減

という順番で半音ずつ音程が狭くなる。


 増5度:レとラ#

完全5度:レとラ

 減5度:レとラ♭



数字が2 3 6 7 の場合

増→長→短→減

という順番で半音ずつ音程が狭くなる。


増3度:♭レとファ#

長3度:レとファ#

短3度:レとファ

減3度:レ#とファ



では2つ音があった時に、その2つの音の音程を知りたい時はどうすれば良いでしょうか?

例えばファとその上にあるラ♭という2つの音の音程を考えてみます。


音程その1の知識より、「ファとラ♭」の数字部分は3度だと分かります。3度は3度でも、どのような3度になるでしょうか?


低い方の音であるファからメジャースケールを作ってみます。


ファ

シ♭

ファ


長音階の最初の音とそれぞれの音との間に出来る音程は以下の通り。

完全:1 4 5 8

 長:2 3 6 7


今回はラの部分を知りたいです。ラはファから出来る長音階の3番目の音なので、「ファとラ」は長3度だと分かります。ところが、今調べたいのは「ファとラ♭」の関係です。


長3度:ファとラ

?3度:ファとラ♭


「ファとラ♭」というのは、「ファとラ」と比べて半音狭い音程です。

「ファとラ」は長3度だったので、長3度より半音狭い音程を知りたいです。


数字が2 3 6 7 の場合

増→長→短→減

という順番で半音ずつ音程が狭くなる。


という知識によって、「長」よりも半音狭いのは「短」だと分かります。

なのでファとラ♭は「短3度」だと知ることが出来ました。



他にも音程を探すやり方があります。

例えばもし「ファとラ」の音程が分かっていたら「ファ#とラ#」の音程はすぐに分かります。


「ファとラ」の両方の音を半音上げたものが「ファ#とラ#」です。平行にずらしただけなので音程は「ファとラ」の時と変わりません。「ファとラ」が長3度なので、「ファ#とラ#」も長3度です。



他に音程の転回形を使うというやり方もありますが、それはまた別の記事で説明します。

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