ピアノを上手に弾けるようになりたいとします。
そのためには、ずっとピアノの前に座って弾いているのが1番良い方法なのでしょうか?
私はそうではないと思います。
実際に楽器を弾く他にもやった方が良いことがいろいろあります。
それは、
[聴くこと]
[読むこと]
[調べること]
[歌うこと]
です。
[聴くこと]
何にもまして聴くことは大事です。音楽家の力とは聴く力です。
(彫刻家や画家の力が見る力であるのと似ています。)
演奏することに一生懸命になり過ぎると、耳が閉じていってしまいます。自分の動作だけに一生懸命になり、音を聴かなくなってしまうのです。
耳をきたえましょう。
いろいろな演奏を聴くこと。細かく聴くこと。深く聴くこと。
生演奏も聴きましょう。録音されたものも聴きましょう。
心を開いて、音を聴いてよく感じること。
これが音楽をやる者にとって1番大切なことだと思います。
聴く力を育てていくと、音楽の喜びがどんどん増えていきます。
[読むこと]
楽譜と向き合う時間です。特にクラシック音楽において大切な時間です。
楽譜を丁寧に読んで、心の中で歌い、その曲の世界を想像すること。
これをやっていると、楽器の前に座った時に音楽が完成するのがとても早くなります。
急がば回れですね。
[調べること]
その曲がうまれた背景を調べること。
そのジャンルやアーティストの歴史について調べること。
音楽に限らず様々な文化はそれ単独で成り立っているわけではありません。いろいろなものとつながっています。そのつながりを調べれば調べるほど、音の感じ方も変わってきます。
そうすると同じ音楽をより深く楽しむことができます。知識は人生を楽しむために役立つもの。義務だと思うと苦しくなってしまいます。音楽を楽しむために、好奇心を持っていろいろ調べてみましょう。
[歌うこと]
楽器の演奏をする人でも、歌うことはとても大事です。
上手じゃなくてもかまいません。
自分の身体を使って歌うことで音楽が自分の身体に入ってきます。
楽器だけで練習していると、動きの手順だけを追ってしまうこともあります。
歌うことで音楽と自分の距離が縮まります。
身体を使わず心で歌うだけでも効果があると思います。
上手くなりたいのに、忙しくて楽器に向かう時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そんな方こそ、ぜひ楽器を使わないこれらの取り組みを試してみてください。
例えば電車の中などでも、楽譜を読んだり本を読んだり音楽を聴く事はできます。そのような時間を過ごすと、楽器に向かったときの音楽の喜びがさらに増えると思います。
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